ゴリラ農園

霊長類としての尊厳を守るためのブログ

川崎治安悪い説

川崎にあるウェアハウスに行った。

 

登場人物

えんさん:訳あって無職になりそう。大阪から薄い本を売りさばくイベントのため密入国してきた。全身黒い服を着ているため、暗いところに行くと存在が希薄になる。

上田:訳あって無職だった。人類を憎み三代目 J Soul Brothersは憎まない三浦市が生んだ修羅。着物を着ている。

俺:訳はないが無職になりたい。

 

 もう1人”訳アリ無職”のオタクもメンバーに含まれていると思っていたのだが、日本なのかも定かではないような辺境の土地で住み込みバイトをしているため不在だった。

訳アリ無職のオタクは六本木のクラブで夜な夜な遊んでいるチャラついた妹がいる。そのうち妹には「キミの家族構成知ってるんだけどお茶しない?」という切り込みでナンパしようと思ってる(しない)(できない)(街コンは21日)(死)

 

 前述の通り、集合時間に対して15分は遅刻してしまう重い病に罹っているため、何の躊躇いもなく集合に遅れる。上田から改札出たところで着物でいるからっていうアバウトだけどわかりやすい連絡を受け改札を出ると、着物の奴が2人もいる。話と違う。しかも、その横にはコスプレをした奴が2人いる。世界観メチャクチャかよ、胃もたれするわ。いきなり川崎の熱い洗礼を受けるハメになるとは思いもよらなかった。

 

 ウェアハウスに向かう道中、マクドナルド(東京では"マック"と言います)を見かけるたびにヘラヘラしながら「えんさん、あれ何?」と聞き「マクドやな」と返させる言葉狩りによる大阪イジリをしていた。「群馬県民は蛮族」「群馬は成人の儀式がある」「グンマーw」などという迫害を受けてきたにも関わらず、俺は大阪から来た人間をイジっている。こうしてイジメは生まれる…

しかし、「マックシェイク」は「マックシェイク」と呼ぶらしくて俺は腑に落ちていない。夜に目が覚め、何故マクドシェイクじゃないんだ…と頭を抱える日々がこれから永遠に続くだろう。

 

 ウェアハウス近辺につくと、綺麗なビルの真横にサビで薄汚れたきったねえウェアハウスがあり、川崎に亜空間としてアクセントを加えていた。オトコノコなら誰しもが一度は興味を抱く九龍城がそこにはあった。内装はスラム街。九龍城をこの目で見たことがないが雰囲気はバツグンに良く、世界観の表現がディズニーと遜色ない。

ただ、ここゲーセンなんだよね。この世界観で平気な顔してゲームしてる常連客はいったいなんなんだよ。怖いわ。

 

 ウェアハウスは程々に、他の場所でビリヤードをすることに。 しかし、全員が初心者で、ハンゲームでならやったという経験者気取りの強がり以外に経験の差はない。いざやってみるとビリヤードという名の球突き遊び。白い球を小突いて数字の書いてある球に当てるゲーム。あわよくば台に空いている穴に球を落とす。爽快感が死んだ知育玩具。

ハンゲームなら入ってた」などというたわごとをブツブツを繰り返しながら、あまりにも不毛だったためビリヤードは3回くらいで終了。

 

 えんさんに他に何かやりたいことはないかと聞くと「ボウリングがやりたい」と言うのでボウリングをやることに。ボウリング。大阪にはボウリングがないのか、ボウリングが規制されているのか、大阪への興味は尽きなかった。 

俺はボウリングが下手糞で、ボウリングが得意な母親から腹違いの子供なのではと疑われたことがある過去を持つ男。ガーターに球が吸い寄せられる呪縛にとらわれていると疑うほどガーターに行く。多分プロボウラーが見たらシバき倒されるほどの投げ方をしているのだろう。

画面に表示されるスコアが常に非情な真実を告げていて、えんさんのスコアがグングン伸びていく中(プロボウラーか?)、俺のスコアにはGという文字が並んでいる。実質、俺と上田のビリ争奪戦になっていた。

途中で隣のレーンに2人の外国人客が入ってきた。遠慮なしに俺のボールを使ってくる破天荒な奴らで、まぁ2人とも俺とボールの重さ同じだし間違えるのはしょうがないなって思ってたけど指の穴のサイズが「S」「M」「L(俺)」じゃねえか。確認しろ。彼らは1ゲームやったら帰ったんだけど、俺の「L」は片付けないで帰って行った。

わかってんじゃねえか!

 

 ボウリングを終えて居酒屋でダベりつつ、えんさんに他に何かやりたいことはないか?と聞き、さながら死刑執行前日の死刑囚のような扱いをしていた。実はアキバに行ったことがないという話から飛躍してメイドカフェに行ったことがないという話に不時着した。

最近はどこにでもメイドカフェあるからなぁみたいな感じになり、とりあえず最寄りのチェーン店っぽいメイドカフェに行くことになった。イベント前日なのにフットワークが軽い。 

 

メイドカフェに入ると、まぁメイドカフェ。ミニスカメイドに常連のおじさん達。俺は…この空気を…知っている…ウッ!コンセプトカフェ…!スゥー…ウゥッ!頭が…割れるように痛い…コンセプトカフェは孤独に効く…

 

 店内はなぜかダンガンロンパの1話を延々と流し続けていて気が狂いそうだった。初回だという事でメニューと注意事項を説明されると、お嬢様セットとかいう女性限定で「”スイーツ”にメイド服に着替える権利とメイド服でチェキを撮れる権利が付いてくる」空気がヒリつくパンチが効いたメニューがあることが判明した。誰がこんなイカれたメニューを頼むのかと思っていたら上田が着物が暑すぎて着替えたいという大義名分を振りかざしお嬢様セットを頼んでいた。えんさんも流れで「着るしかないっしょw」みたいになってお嬢様セットを頼むハメになった。

 

俺も「着るしかないっしょw」みたいにそそのかしておいてなんだが、実は心が冷えついていた。なぜなら俺もまたコンセプトカフェに通っていた人間だからだ。経緯はどうあれ、常連客からしたら異性連れでのコンセプトカフェ入店はレンタルビデオ屋のアダルトコーナーに複数人で入り込んでくる行為に近い。レンタルビデオ屋のアダルトコーナーは言わずと知れた紳士の社交場、俗世から離れた精神と時の間。失われつつある侍としての魂や趣がそこには存在している。ひと時の伴侶選びに真剣に取り組む姿はどこか職人のようにも見える。(同じようなこと前にも書いた気がする)

そこに複数人でワイワイとAVを物色しようものなら、死刑を求刑されることもあるだろう。

俺はそれと似たようなことをしている。いっそ俺もメイド服を着させてくれ!と思いながら、メイド服に着替えた2人を見ていた。

用意されていたメイド服は、店内でメイドが着ているちょっとスケベな物とは程遠く、明らかにチャチい。メイド服から溢れ出るドンキ感と表情の硬い2人を見て接客慣れしていないメイドっぽかったので「大分県メイドカフェの店員」と揶揄し、小馬鹿にしていた。

 

 「文化祭の出し物でメイド喫茶やってます」みたいな感じの空気が漂うテーブルでしばらく過ごしていると、お嬢様セットのチェキを撮る時間がやってきた。俺はメイド服の2人だけで撮るものだと思い、完全に高みの見物をしようとしていたが「お前も撮るんだよ」という”圧”によって3人でチェキを撮ることになった。

おわかりいただけただろうか、メイドカフェで本職のメイドとはチェキを撮らずにメイド服を着た身内とチェキを撮るという怪奇現象が起こっていることに。

俺が真ん中に立ち、2人が両サイドに立つという地獄サンドイッチをブチかまされ、ファラオのように腕を前で交差させ手でハートを作る。心に虚無を芽生えさせながらチェキを撮り終えると、なぜか一旦本職のメイドがチェキにラクガキをしてくれてから我々の手元にチェキがやってきた。

 

チェキを見ると、金剛力士像のようなメイドに挟まれたファラオが居た。

 

全員、表情筋が死亡している。

チェキにAEDを使ってくれ。死んでるんです。

 

宴もたけなわ、メイドカフェに居たらほどよい時間になり解散することになった。

 

いろいろあったが、楽しい一日を過ごすことができた。

えんさん、今度東京に来るときはぜってぇウンコの事ババって呼んでくれよな!