ゴリラ農園

霊長類としての尊厳を守るためのブログ

沖縄に初上陸した話①

 ゴールデンウィークは死んだ。その現実を受け止めるのには時間が必要だった。

不屈の意志で上司を殺害もしくは会社を爆破することなく無事に9連休することに成功し、以前から予定していた沖縄旅行に行くことができた。命拾いしたな。

 

 沖縄のイメージとしてはいつどこにいてもこんな感じの歌が聞こえてくるような陽気な島で、しかもバチカン市国に毛が生えた程度の広さの島だと完全にナメくさっていた。

 

 しかし、実際に沖縄に行ってみると結構デカいし完全に田舎。海に囲まれたデカい田舎。教科書で見たような家がない、俺の沖縄知識は教科書とちゅらさんしかないのだ。想像していた沖縄はそこにはなく、群馬県の一角にもありそうな田舎の光景が広がっている。

沖縄に対して事実上落胆しながらも空港でA&Wというバーガーショップに行く。どうやら沖縄にしかないファーストフード店らしい。たしかに街中にマクドナルドがなかったような、そもそも意識してなかっただけかわからないがA&Wの分布は感じることができた。マスコットキャラは小汚いクマなのだが、妙に愛嬌がある。

A&Wルートビアがお代わりし放題らしく、旅行しているメンバーの中でバーガーセットのドリンクをルートビアにしている人が何人かいた。俺の記憶が確かであれば、ルートビアは高校生の時に沖縄旅行に行った同級生がお土産として買ってきたクソ不味いドリンクに違いない。ルートビアを頼んだ奴の泣きっ面が見たいため俺は何も言わなかった。

湿布の味がするから飲んでみろと言われ、確かに湿布の味がしたことを確認してトイレに流してしまったあのドリンクが飲み放題という誰が得をするのか理解できない。

A&Wで腹を満たすとレンタカーの人が空港まで迎えに来てくれた。恐ろしいほど不愛想で、南米の陽気な運転手を想像していた身としてはショックとしか言いようがない。

 

 

 初日の予定は、沖縄到着→琉球ガラス作り体験→宿に帰るという修学旅行のようなスケジュールで行動していた。

問題の琉球ガラス作り体験だが職場体験のようにほんわかした雰囲気ではなく、体育会系のガラス作り体験だったのだ。運の悪いことに体験する順番が1番最初になってしまい完全に道化と化し、途中までヘラヘラしながら熱したガラスを吹いたりなんかしていたのだが最終工程は自分の力で仕上げなくてはならない上、最終工程の指導者が超スパルタ

左手は棒を回して右手は徐々に力を緩めるんです!という敬語が全て枕詞に感じるような指示に対して、脳の処理が追い付かない。左手で〇を描いて右手で△を描くみたいなことをやらなければならない。迅速に。ガラスが固まるから。

脳が処理できず、何度もやり直しをくらってしまう。左の棒を回す作業に注力すると右手がおろそかになり、右の力加減に気を使いすぎると左手が止まってしまう。そして何よりも指導者がスパルタなので緊張感がスゴい。

ちょっとミスると即ガラスを取り上げられてガラスを再加熱され、再加熱中に左手は棒を回して右手は徐々に力を緩めるんです!というロード中に出てくる豆知識を何度も繰り返し頭に叩き込まれていく。

感情を恐怖で支配され、心の中で半べそになりながらも一応仕上げることができてようやく解放された。努力の結晶であるグラスは実家に置いてきた。嫌な思い出としてよみがえりそうなので。

 

 

初日はレンタカーのフロントガラスが割れたりしたけど続きはまた記憶があるうちに書きます。