巷で噂のボルダリングをやった。
暇だし運動したいしちょっと痩せたいし球技は条件揃いにくいしランニングはしたくない、という惰性と妥協と堕落が複雑に織り交ざった低俗な試行錯誤の末にボルダリングに行きついた。(その裏にはあわよくばモテたいという理念が存在している)
ボルダリングをやるという事を息巻いて話したところ、「意識高い系のやるヤツじゃん」と言われてマジ?ってなった。
実際にちょっとググったらまあ確かに意識がお高い感じの、ファッション感覚でスポーツしてる高等遊民(ツイッターのプロフィールに経営コンサルタント/投資/ジム/フットサル/ボルダリング/アイカツ/プリパラとか書いてそうな人)がやってそうな感じだった。
ボルダリング初体験という事もあって、始める前にボルダリングをする際の入門ビデオみたいなのを見させられた。
ビデオの最序盤に「ボルダリングはアミューズメントではありません。スポーツですから下手したり調子コいたりすると怪我をすることがあります。」って感じの注意書きがあったんだけど、いざボルダリングのやり方の項目になると上の方に「遊び方」って書いてあって自己矛盾を孕んだ危険なビデオだった。
ビデオに一抹の不安を抱えながらもボルダリングに挑める状態になった。
フロアにはクラブミュージックのような陽気なBGMが流れていて、アゲアゲな感じでオォァー!意識高ェー!ってなった(クラブに行った事がないので偏見)
正直やるまでは、男女がワイワイしながら突起掴んで上に登っていく大人のジャングルジム程度の児戯だと思ってたんだけど全然シンドい。
24時間365日レム睡眠してたであろう筋肉が急激に使われる。コブシ1個分くらいの突起を掴んで体重を預けるとなるとかなりキツい。
男女で来てた大学生がワイワイしながらやってたけど、今までワイワイしてた奴が登るタイミングになると登山家の顔ぶれになるんだよね。どういう精神構造してんだよ。
アイカツのこのシーンが人間離れしてるってようやくわかったよ。
そんなこんなでしばらくやってたんだけど、どうも上手く登れないコースがあった。何回か挑戦しても途中で進めなくなってヘラヘラしながら降りてくるだけだった。
俺には”危機感”が足りなかった。下はやわらかマットだから落ちても平気という感情があったからこそ、ヘラヘラしながら降りれていたのだ。
落ちたら即死、マットの上で身体が弾け飛んで死んでしまうという強迫観念に駆られることによって大学生たちは登山家の顔ぶれになっていたのではないだろうか?
小学生が白線からはみ出したらサメに食われるという死と隣り合わせのスリル中毒のようなイカれたルールを設けるように、俺も落ちたら実質死ぬというルールを設けて挑んだらクリアできた。人間、死ぬ気になればなんでもできるってワケよ。
でも数時間たった今、ハチャメチャに筋肉痛になってて左手が思うように開かなくてリハビリ患者みたいになってる。さっき歯磨き粉のチューブ握ろうとしたら全然握れなくてヤケになって強く握ったら洗面所が歯磨き粉まみれになったんだよね。
ところで来週はバレンタインデーだけど、どう?準備はできてる?
練炭の準備の話だけど