はじめて原宿行ったんですよ。原宿。
インターネットで生まれインターネットで死ぬオタクとしてはインターネット上にある情報が全て(多分このフレーズは前にも使った)、原宿の事も個性がイカれた連中の集う魔窟だという悪いイメージが練り固まっていた。
悪いイメージが先行してしまっているのは良くない、真実をこの目(左0.7 右0.7)で確かめるまでは本当のことはわからない。友達が彼女と歩いていたら外国人にやや強引に店まで連れていかれてクソデカいパーカーを買わされそうになった話を聞いていたとしても、パチこいてるかもしれないし自分以外は信用してはならない。
魔界村だった。
大分前に「原宿で賞味期限が切れたじゃがりこを渡してくるピエロ」っていう
言葉の序盤のパワーが弱めの都市伝説みたいな話を前にツイッターで見たんだけど、それがいた。
その人に関しては前に調べたんだけど、原宿の活性化のために活動している人たちらしい。検索すれば出てくると思うけど”活性化”を促すにしてはその恰好があまりにもサイコパスすぎる。夜道に反対側から歩いてきたらオシッコ漏らしながら産声あげちゃうレベル。原宿が亜空間のようになっている原因の一端を担っているだろ。アンタ
初っ端から怪異に出くわして、まだ竹下通りにすら入っていないのにこの先はどんな地獄が待ち受けているんだという不安に駆られた。
竹下通りに入ると、奇抜の谷のナウシカだった。個性のボディブローに辟易するほどの個性ラッシュだった。本人のスタンスはこちらから想像することはできないが、一般ユニクロ着用オタクからすると奇抜という表現を取り入れる事しかできなかった。
なんか、渋谷とかにいるギャルサーのギャルの混濁としている部分を切り貼りしたかのような人がいたりして、そういう人はテレビクルーの餌になっていた。
あとはそういった奇抜な服を売っている店、モバゲーの期間限定ガチャの上下セットのアバターみたいな服がズラリと並んでいた。
意味不明だったのが、ソフトクリームのとぐろのような形をしたきゃりーぱみゅぱみゅみたいな色のわたあめを竹下通りにいる民たちがむさぼり食っていた事だった。
どう見ても虹色のウンコ。きゃりーぱみゅぱみゅは責任を取った方がいい。
そもそも、原宿に足を踏み入れた理由はでんぱ組オタクとでんぱ組のコラボカフェに行くためなんだけども。
あらかじめ全国民に伝えたいのだが、俺はでんぱ組のファンではない。曲を1曲フルで聞ききったことすらないレベルのエアプ。エアプどころの騒ぎではない、住んでもいない地域の自治会に参加してるみたいな感じだった。
でんぱオタクの目的はコラボカフェで注文するともらえるコースターの収集だった。簡単に言えば、推しのコースターが当たる確率を上げるための要員にすぎないのだが、俺は以前このでんぱオタクをコンセプトカフェに連れて行ったことがあるので、お互いにお互いの地域の自治会に参加するかたちになった。
コラボカフェ自体はとても平和だった。コラボカフェに入る前にでんぱオタクが外国人に肩をつつかれて「調子に乗るなよ」と言われたくらいで。(調子に乗っていた要素は1ミリもない)
「この店ずっとでんぱ組の曲しか流れてねえなぁ」って冗談吐こうと思ったけど完全なるアウェー空間でファンでない事がバレた瞬間、異教徒の首なんか撥ねられても仕方がない。生殺与奪を握られた俺は沈黙を保ち、でんぱオタクは推しのコースターを無事に入手することができた。コラボメニューのご飯はおいしかった。
コラボカフェの下にあるショップでは、でんぱ組のグッズ3000円分を購入するとチェキが当たるくじを引けるらしい。チェキが当たるくじを引く段階で1回ギャンブル要素を挟んでいるのにチェキもランダムなので俺は恐ろしい商売だなこれはと思った。
しかしオタク、惚れた女のチェキを入手するためにも躊躇せずに、数枚入りのブロマイドと缶バッチ(ランダムで数種類)で計3000円分のグッズを購入した。
悲しいことにチェキくじも外し、缶バッチも推しは出ていなかった。
落胆するオタクを見て俺は「後悔しない選択をしろ」「買わなかった後悔と買った後悔ってあるじゃん?」などと無責任な言葉を投げかけた。俺はこのオタクに散財させようとしていた。理由はない。
でんぱオタクはブツブツと「でもゲーム売ればチャラになるからなあ」と言っていたけど、前回アキバででんぱグッズを買う時もこのセリフをブツブツと唱えていた。
決心をする前に唱える呪文か何からしい。売ろうとしているゲームのラインナップも正直なところ今の時期に高値で売れるかといえば多分NOだろうというものばかりなんだけど、それらを売ったらチャラになると思い込むプラス思考は素直に良いと思う。「最終的にはPS4を売る」と言い放っていたので、オンラインで一緒にゲームしている人たちはこいつを止めた方がいい。刹那的な生き方すぎる。
俺が缶バッチ1個買うことにして、あとは別種類のブロマイドセットと缶バッチ数個を買おうとしたところ、別種類のブロマイドがないとか言ってでんぱオタクが店員に補充させてたんだけど、後で気付いたらこのオタク、補充させたブロマイドが実はさっき買ったブロマイドで、補充しなくてもあった分のブロマイドが本来買ってなかったブロマイドだった事に気付かなくて同じブロマイドセット2個買ってたんだよね。
不可解な行動の末、2度目のチェキくじは外れた。そそのかした身として俺はかける言葉もなかったんだけど、店員から「アタリの確率は結構高いはずなんですけどねぇ」みたいな事言われてて死体蹴りされててかわいそうだった。南無三
缶バッチで推しが当たった事だけが唯一の救い。でんぱオタクはチェキくじの存在を頭から抹消することによって自分を守っていた。
渋谷でタコス食って帰った。
俺の手元には何故かピンキーのグッズが3つある。しかし、ファンではない。